巨体は人を惹きつける。例えば相撲は、勝負以前に力士の「大きい体」それ自体を見るものであったし、初期のプロ野球も、当時の平均からすればかなりの大男たち、「選ばれた人間」によってプレーされていることが迫力と魅力の源泉であった。著者が追い続けてきたプロレスも、もちろんその例に漏れることはない。
「簡単なことですよ。あの世界は大きいことが一番いいことだから。そして観客をいっぱい集められるということが最強だと思う。これは私の考えですよ(笑)。観客動員の記録を出したこと、彼はとっても自慢だったみたいね」
9万3173人という、ローリング・ストーンズを凌ぐ米国興行史上最高の観客動員記録を残した不世出の巨人レスラー、アンドレ・ザ・ジャイアントを著者が初めて見たのは1970年1月2日、初来日の翌日だった。その頃はまだ、後の強豪ぶりはそれほど感じられなかったようだ。
特製トートバッグ付き!
「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています
photograph by Tamon Matsuzono