今年の全日本選手権で目立ったのは「錦織世代」の頑張りだった。20歳の伊藤竜馬(たつま)が準優勝。錦織圭の1学年下、湘南工科大附高3年の守屋宏紀は、高校生としては'92年のトーマス嶋田以来16年ぶりのベスト4進出を果たした。さらに、錦織と同学年、19歳の三橋淳と片山翔もそろって8強入りした。
錦織は海外ツアーを優先させたためエントリーしなかったが、彼のツアーでの活躍に刺激された選手たちが、負けてなるものかと燃えたのだ。
錦織よりひとつ年上の伊藤は、この春、デビスカップ・インド戦で代表候補に選ばれた。仲のよい錦織はチームのエースとして活躍し、デビスカップでの国内最年少勝利を挙げたが、“候補”の伊藤は選手の練習相手を務めただけだった。錦織が3回戦に進出して脚光を浴びたAIGオープンでは、1回戦敗退。米国の中堅選手に完敗した伊藤は、会見場で涙を流した。そうしたひとつひとつの経験が、彼を大きくしたはずだ。
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photograph by Hiromasa Mano