初場所後、相撲界に激震が走った。相撲ファンのみならず、全国民が注目したといっても過言ではない2つの乱。相次いで出された裁定は、民意が大きく反映されたものとなった。
まずは貴乃花親方の反「乱」。2月1日、両国国技館で行なわれた日本相撲協会理事選挙に、二所ノ関一門を離脱した貴乃花親方(元横綱・貴乃花)が初めて立候補したのだ。その結果10票を獲得、予想外の逆転劇で理事に当選した。支持者は共に一門を離脱した6人に、自身を加えた7人のみ。年功序列や一門ごとの候補者の事前調整を重視してきた相撲協会に、「改革」を主張して挑んだガチンコ勝負。勝算を度外視し、真摯に突き進む貴乃花親方を支持するファンの声は、判官贔屓もあってか日増しに大きくなった。その声が動かしたのか、土壇場の投票で3票が貴乃花親方に流れた。現職の大島親方(立浪一門)が落選し、 37歳5カ月、歴代5番目の若さで理事の座をつかんだ。選挙会場の大広間には重苦しい空気が流れたというが、貴乃花親方が投じた一石で生じた「改革」の波紋は大波となるか。今後の貴乃花理事の動きを見守りたい。
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photograph by KYODO