今田竜二というゴルファーをご存知だろうか。昨年から米レギュラーツアーに参戦し、ようやく成績が新聞に載るようになった今田だが、2部ツアーで戦っているときは、専門誌が特集をときどき組むだけだった。
僕は数年前、今田の故郷広島・三原市にいったことがある。父・隆史さんの案内で、今田の少年時代を辿った。
三原市西野町にある山へ車を走らせ、ゆるやかな上りのカーブを抜けると、山と山の間の谷の入り口に『西野ゴルフ』という練習場の看板がある。
「ここは、竜二の(得意の)ロブショットのルーツなんですよ」
と、隆史さんは語った。8歳からゴルフを始めた今田は、学校の授業が終わると、この練習場で多くの時を過ごしてきた。グリーンの側で昼寝をし、腕自慢の大人に教わりながら、高く柔らかくふわりと上がるロブショットを覚えていく。町に戻ると、小さなラーメン屋の裏にある10ヤードもない小さな練習場で、トレーニングする日々を送った。
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photograph by Taku Miyamoto