比国(フィリピン)のボクサーといえば、ファンの間では日本選手の引き立て役を務める“弱い”“出稼ぎ選手”というイメージが定着しているように思える(そもそもこの国では総人口の1割近い700万もの男女が海外に仕事を求めて祖国を留守にしているから、ボクサーが外国で戦うこと自体が珍しいことではない)。
しかし見くびってはいけない。比国のボクシングの歴史は日本よりも古く、フライ級のパンチョ・ビラがニューヨークで初めて世界王座を獲得したのは1923年、白井義男がダド・マリノに勝ち日本人初の世界王者となる29年前のことである。因みにマリノはハワイからやってきたが、出身はやはり比国である。戦後の国民的英雄だったフラッシュ・エロルデは16歳で初来日し、新人時代は東京で生活していた。歴代の王者のほとんどは「アウェイ」で運命を切り開いてきたのである。
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