相手をプッシュしてからの破壊力抜群のローキックも、相手の額を縦横無尽に切り裂いてきたヒジ打ちも不発だった。4月16日、キック界のカリスマ・立嶋篤史はプロ100戦目を松元仁志と争い、3R2分59秒、強烈なフックでTKO負け。残り時間わずか1秒で倒されたところにリアルなドラマを感じた。
立嶋といえば'90年代のキックを牽引した選手で、キック史上初の年俸1000万プレーヤーとなったときには一般マスコミも振り向かせた。
それから30年余り、自分より16歳も若い松元の攻撃に、51歳の立嶋は序盤から青息吐息だった。なぜ判定決着寸前まで勝負がもつれたかといえば、松元がどう介錯していいのか悩んだからだろう。
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photograph by JIJI PRESS