――アーセナルは2005-'06シーズンにチャンピオンズリーグの決勝に進出している。それまではヨーロッパを制覇したことはなかったし、ましてや次のシーズンにはエミレーツへ移転することも決まっていた。やはり決勝に向けて、心に期するものも強かったのではないだろうか。
「そう、あの年はハイバリーでの最後のシーズンになった。ユニフォームも特別なデザインになったし、ホームでの最終戦が終わった後は、誰もピッチから出ようとしなかったね。なにか大事なものを無くしてしまうような気持ちになったんだ。
だからこそチャンピオンズリーグでビッグタイトルを取って、シーズンを締めくくりたかった。しかも決勝トーナメントの1回戦ではレアル・マドリーに勝って誰もが自信を深めていたから、そのまま優勝できると思っていたんだよ」
――たしかにチームは波に乗っていた。
「そもそもレアルは、ホームでイングランドのチームに負けたことがなかった。でもティエリー・アンリは世界トップクラスのシュートを決めてくれたし、僕たちはセカンドレグも辛抱強く戦うことができた。
もちろん、決勝トーナメントになると運も必要になってくる。実際、レアル戦やユベントス戦、準決勝のビジャレアル戦でもツキがあったと思う。特にビジャレアル戦では、フアン・ロマン・リケルメのPKをイェンス・レーマンがきっちりセーブした場面もあったからね。
CL記録になった10試合連続無失点
ただし決勝に勝ち上がったのは運だけが理由じゃない。僕たちはバルサとファイナルで対戦するまでは、決勝トーナメントで一度もゴールを割られていない。グループステージまで含めれば、10試合連続で失点をゼロに抑えたんだ。これはチャンピオンズリーグの記録になったと思う。
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