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[無敗戦士の述懐]ジウベルト・シウバ「頂上決戦の果てに」

2023/04/14
アーセナルは準決勝までの勢いを失い、あと一歩届かず。シウバ(左上)も頭を抱える
ハイバリーでの最後のシーズンを戦ったあの年、欧州制覇の夢は目前で潰えた。無敗優勝から中軸を担うブラジル人の目に、バルサはどう見えたのか。そして隆盛を誇ったアーセナルは決戦前後でどう変化していったのだろうか。

――アーセナルは2005-'06シーズンにチャンピオンズリーグの決勝に進出している。それまではヨーロッパを制覇したことはなかったし、ましてや次のシーズンにはエミレーツへ移転することも決まっていた。やはり決勝に向けて、心に期するものも強かったのではないだろうか。

「そう、あの年はハイバリーでの最後のシーズンになった。ユニフォームも特別なデザインになったし、ホームでの最終戦が終わった後は、誰もピッチから出ようとしなかったね。なにか大事なものを無くしてしまうような気持ちになったんだ。

 だからこそチャンピオンズリーグでビッグタイトルを取って、シーズンを締めくくりたかった。しかも決勝トーナメントの1回戦ではレアル・マドリーに勝って誰もが自信を深めていたから、そのまま優勝できると思っていたんだよ」

――たしかにチームは波に乗っていた。

「そもそもレアルは、ホームでイングランドのチームに負けたことがなかった。でもティエリー・アンリは世界トップクラスのシュートを決めてくれたし、僕たちはセカンドレグも辛抱強く戦うことができた。

 もちろん、決勝トーナメントになると運も必要になってくる。実際、レアル戦やユベントス戦、準決勝のビジャレアル戦でもツキがあったと思う。特にビジャレアル戦では、フアン・ロマン・リケルメのPKをイェンス・レーマンがきっちりセーブした場面もあったからね。

CL記録になった10試合連続無失点

 ただし決勝に勝ち上がったのは運だけが理由じゃない。僕たちはバルサとファイナルで対戦するまでは、決勝トーナメントで一度もゴールを割られていない。グループステージまで含めれば、10試合連続で失点をゼロに抑えたんだ。これはチャンピオンズリーグの記録になったと思う。

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photograph by Getty Images

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