カタールW杯で期待する選手は誰か――。
スポーツ総合サイトの投票で大差をつけて1位に輝いたのは、三笘薫だった。
プロ1年目でJリーグベストイレブンに選出され、昨夏に加入したベルギーのユニオン・サン・ジロワーズでも瞬く間に主力となった。そして、3月24日のオーストラリア戦では約10分の出場で2ゴールを決め、日本代表を7大会連続W杯出場に導いた。
三笘なら、ドイツの、スペインの守備網をも切り裂けるのでは?
あの鋭く、破壊的なドリブルに、誰もが夢を見たくなるだろう。
日本のサッカーファンの期待を背負うウインガーは今、何を思うのか。
彼の胸のうちを探るうえで、気になっていることがあった。オーストラリア戦3日前の囲み取材で、三笘は「命懸けで戦おうと思います」と語ったのだ。20年近く日本代表の取材をしているが、そこまでの覚悟を聞いたことがない。しかも三笘はあの時点で、代表キャップが1しかなかった。
何が三笘にそう言わせたのか。真意を確かめることからインタビューを始めた。
――思っていても、なかなか出ない言葉だと思います。
「言った瞬間、ニュースになるなって思いました(笑)。W杯出場が決まる試合に出られる機会はなかなかないですし、勝てば決まる状況だったので、ここで決めるしかない、という意味で使いました」
――純粋に、その思いだけ?
「そうですね」
――プロ入りしてから「オリンピックで金メダルを獲って、W杯に出場する」ことを目標に掲げていましたよね? ところが、東京五輪は負傷もあってベンチ外になるなど不本意な出来に終わった。だからこそ「W杯出場には必ず貢献するんだ」という強い覚悟があって、あのコメントになった。そう想像していたんですが。
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