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[イチロー指導校探訪(1)]國學院久我山「“いいね”が背中を押してくれた」

2022/04/14
センバツ甲子園準々決勝、4-2で星稜に勝利し笑顔でグラウンドを駆ける久我山ナイン
センバツ初勝利、そしてベスト4進出。國學院久我山は今春、その強さを夢の舞台で証明した。指導者イチローの言葉は彼らに何をもたらしたのか。戦いを終えたチームを訪ねた。

 今年のセンバツ甲子園で、國學院久我山は準決勝まで進出した。'79年、'85年、'11年と過去3度の出場歴があるが、いずれも初戦敗退。'13年に就任した尾崎直輝監督のもと、大きな飛躍を果たす春となった。

 昨年11月末、同校にはイチローの姿があった。2日間限りの指導だったが、甲子園での躍動はその賜物と言えるのか。大阪桐蔭に敗れて決勝進出を逃した数日後、久我山のグラウンドを訪れた。

 尾崎監督は苦笑する。

「甲子園では、報道陣の方たちからそのことばかり質問されました」

 ただ、うんざりした表情ではない。間違いなく因果関係があると感じられるからだ。

 東京都杉並区にある國學院久我山へとイチローがやってきたのは11月29日のこと。尾崎監督はその傍らに付き添いながら、一挙手一投足を見逃すまいと観察し、選手ともども質問をぶつけた。

 シューズを履く際に靴べらを使う姿から用具を大切に扱う姿勢を学び、「(足の)薬指から地面に着くようにしている」という走り方のこだわりを教わって感嘆した。トレーニングの話題になったときには、促されて筋肉に触れた。「できたての大福みたいにぷにぷに。なのに見た目は締まってるんです」と、表情豊かに振り返る。

 メジャーで10年連続200安打を成し遂げた打者を迎えるにあたり、ぜひ聞いておきたいことがあった。

「期待やプレッシャーがあるなかで、どうやって結果を出し続けられたんですか」

 そう尋ねたのは、翌春のセンバツ出場を確実にしていたから。尾崎監督は言う。

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photograph by Hideki Sugiyama

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