「にんきは1ばん。ばけんも1ばいだい。たった2ふんで、“おく”をかせいで、かえってくる。つよくて、かせげるじょしにあこがれます」
プロ野球・東京ヤクルトスワローズの人気マスコット、つば九郎がアーモンドアイを推す理由は単純明快だ。圧倒的に強く、確実に稼げる。GIレースを総なめにしてきた本命馬が出走するたびに「あーもんどあいに、ぜんぶ!」と、競馬資金を注ぎ込んできた。
「すきな(♀の)たいぷは こふうなひと」と公言する独身のツバメ(♂)が、正反対の“強い牝”に恋したのにはきっかけがある。あれは3年前、ゴールした直後のアーモンドアイのただならぬ様子に目が留まった。
「はしりおわったあとに いつも みずあびをしてた。ときには ひょうしょうしきもさぼって みずあび……」
乙女の沐浴を眺めまわすとは不届きだが、その不埒な視線の先に、名牝の真実の姿が浮かんでいた。というのも、知り合いの競馬記者から「アーモンドアイはレースを終えるといつも倒れるくらい消耗していて、体の熱を下げるために水をかけないといけない」という話を聞いたからだ。
「いのちがけで いっしょうけんめい はしる あーもんどあい。そのはなしをきいて だいすきになった。うしろからさすれーすも おおくて ここをこじあけてくるのかよ! って。みていていつも わくわくする」
'18年秋華賞、ジャパンカップ、'19年安田記念……。レースのたびに馬券を買い、“あーもんどあい ちょきん”は着実に増えていった。'20年には、ヤクルトの小川泰弘投手がスイスの時計ブランドのアンバサダーをつとめる縁から、クリストフ・ルメール騎手とつば九郎のトークショー企画が浮上。コロナ禍で立ち消えたが、野球好きだというルメールからは、'20年天皇賞・秋をアーモンドアイで制した際の記念キャップと「いつかお会いしましょう」というメッセージが届いたという。
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