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[繋いだ5大会連続メダル]体操男子団体「0.1点の重みを噛み締めて」

2021/08/13
メンバー4人全員がオリンピック初出場というなかで、リオに続く連覇の期待を受け、戦いに臨んだ新生体操ニッポン。僅差の銀メダルに見えたのは、3年後への大きな可能性だった。

 全員が五輪初出場の新生体操ニッポンが、男子団体決勝で銀メダルをつかみ取った。萱和磨、谷川航、橋本大輝、北園丈琉の平均年齢は、決勝進出8チームで最も若い21.5歳。“キング”こと内村航平を中心に3大会ぶりに金メダルを手にしたリオデジャネイロ五輪から5年がたち、メンバー全員が入れ替わった中で、若き日本は6種目18演技をノーミスで通し切り、優勝ラインと想定していた合計262点を超える262.397点をマークした。

 日本の後に最後のゆかの演技をしたロシア・オリンピック委員会(ROC)が高得点を出して合計を262.500点としたため、わずか0.103点差で涙をのむことになったが、大激戦で見せたノーミスの演技は多くの人の心を熱くさせた。

「内容は金メダル、でも結果は銀メダル。この現実を受け止めなければいけない。僕らはやることはやった。でもロシアが強かった」

 内村の後を継いで団体主将を任された萱が唇をかみながら言った。ROCは今年4月にアキレス腱の部分断裂で手術を受けたアルトゥール・ダラロヤンが驚異的な回復を見せ、想定以上の得点を連発した。水鳥寿思男子代表監督は、「日本がノーミスならば一番上に行けると思っていた。約0.1点差で獲れなかったのは(優勝スコアを想定した)私の責任」と分析した。

 ただ、日本は'18、'19年世界選手権で2年連続団体3位。水鳥監督は「このままいけば東京五輪は確実に3番だろうという中で若い選手が努力を重ねてここまできた。本当によくやった」と優勝争いを演じた4人を称えた。

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photograph by Ryosuke Menju/JMPA

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