10年に1度あるかないかという大番狂わせを沖縄で観てきた。カムバックロードを歩み始めた“沖縄のKOキング”比嘉大吾が、まさか郷里の試合でプロ4戦目の無名の相手に完敗を喫しようとは……。
ラッキーパンチにやられたのではない。12回を通じて長身サウスポー西田凌佑に巧くアウトボックスされ、17勝全KOの強打は空を切り続けた。ジャッジ全員が西田の勝ちを支持するという意外な結果だったのだ。
この日は昨年比嘉が獲得したWBOアジアパシフィック・バンタム級王座の初防衛戦。2階級目の世界を目指す比嘉は勝って当たり前だが、西田にとっては六島ジムの先輩ストロング小林佑樹が奪われたベルト奪回の使命を背負った一戦だった。ただ、アウェイであること、両者の実績の違いからも「8-2で不利」と西田陣営が上げた数字もオーバーではなかったはずだ。
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photograph by Naoya Oshiro(Ryukyushimpo)