#987
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<セ・リーグCS展望> 原巨人の命運を握る3人の男。

2019/10/08
37歳の亀井。原監督は'06年に初の開幕スタメンに抜擢、'09年の第2回WBCにも選出した恩師。
混戦となった今季のセ・リーグを制したのは、名将が4季ぶりに監督復帰したジャイアンツだった。引退を決断したレジェンドと共に、CS突破、そして7年ぶりの日本一へ。復権した名門はいかに戦うのか。(Number987号掲載)

 いまの巨人は勝利の経験のないチームだ。

 前回セ・リーグを制覇したのは5年前の2014年だが、その年はクライマックスシリーズ(CS)で阪神に敗れて、日本シリーズに駒を進めたのは'13年まで遡る。ただ、その年も楽天を相手に頂点目前で敗れ去った。最後の日本一は7年前の'12年で、当時一軍で活躍していて、いまもまだ主力としてプレーしているのは、野手では阿部慎之助捕手に亀井善行外野手、そしてキャプテンの坂本勇人内野手くらい。投手陣では澤村拓一投手が2年目で、エースの菅野智之投手はまだ入団もしていない。

「まだまだ決して強いチームではないんです。ただ、勝つことを経験することで、これからもっと伸び代のあるチームになる。だから痺れるような戦いを選手たちに経験させたい。それでこれから2つの山を乗り越えられれば、このチームは本当に強いチームへと進化していく」

 巨人・原辰徳監督はこれから始まるポストシーズンの戦いをこう規定する。

 そして本当に強いチームへと進化するための第1関門は、10月9日から始まるCSファイナルステージだ。

投手が打線をカバーするのは難しい。

 今年のセ・リーグの戦いを振り返ると、勝利への一つの決定的な要因が見えてくる。それは打てないチームは生き残れない、ということである。

「投手が0点に抑えて、打線をカバーしたという試合は、ほとんど記憶にないですね。逆に打線が投手を助けて勝ち上がってきた。どのチームもそういう戦い方が今年の特徴だったと思う」

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photograph by Kiichi Matsumoto

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