降昇格制度がないNBAにとって、競争と共存の微妙なバランスは不可欠だ。試合でも選手補強でも、すべてのチームが常に全力で競う一方で、一部のチームが弱くなりすぎたり、破産したりしてリーグ全体の魅力を損なうことがないような施策でコントロールしてもいる。
9月20日のNBA理事会で決められた反タンパリング規制強化も、そのひとつだった。FA交渉解禁前から水面下で交渉が行われていたことが疑われるような契約が増えてきた現状を受けてのことだ。FAになる大物選手側が主導権を取り、代理人を通して解禁前から複数チーム間で条件を競らせていたケースもあると報じられている。目玉FA選手の獲得のためなら、グレーゾーンのやり方や、時には規則違反でも証明できないような方法でライバルチームに先んじようとする風潮が当たり前になってきていた。
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