好青年。それは、宇野昌磨を17年指導した山田満知子が、彼を表した言葉だ。宇野自身も「僕はチームの皆に『良い子ね』って言われて育って、皆の期待する子でいようと思ってきました」と言う。そんな彼が今年6月に山田・樋口美穂子チームを離れ、コーチ不在のままシーズンを迎えようとしている。異例の状況には、この性格が影響しているようだ。
昨季の世界選手権で3年ぶりに表彰台落ちを経験すると、山田が背中を押した。
「昌磨と私たちは家族のような関係。もっと違う環境を見てもいいんじゃないかな」
自ら、後足で砂をかけて海外に行くことはあり得ない性格。あえてそう山田から押し出した。恩師の指導を否定しないよう配慮した宇野は、こう言った。
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photograph by Kiichi Matsumoto