24歳の4番打者は今や、名実共にチームの顔となった。多くのファンから応援される“スター性”の源流を辿ると、そこにはカープで育った選手ならではの生き方があった。(Number982号掲載)
「背番号が1になろうと、僕がやることは変わりません」
2019年。鈴木誠也は前田智徳が引退してから5年間、準永久欠番扱いとして空位になっていた背番号「1」を背負うことになった。
広島の人たちにとっても、誠也にとっても、神様にも似た存在であった前田の「1」。その継承にオフの間、複数のメディアが誠也に“カープの新時代を担うスーパースター”の像を結ぼうと意図するも、当人の答えはいつもと変わらないものだった。
3月29日。広島東洋カープとして初の4連覇を目指すシーズンの開幕戦。新井貴浩が現役引退し、丸佳浩が移籍して“V4に陰り”とも囁かれ、超満員のマツダスタジアムには開幕の歓びと不安が錯綜し、独特の緊張感が漂っていた。
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photograph by Nanae Suzuki