99回目の夏が終わった。テレビ画面に映る高校球児の表情がキラキラとまぶしく感じるのは、野球を好きになった14歳のときからずっと変わらない。ただ、人生を重ねるたびに、球児への想いや見方は変化し続けている。“憧れのお兄ちゃん”だったのが、高校生になり“同年代のヒーロー”へ。そして、球児たちの年齢を追い越してからは、彼氏を応援しているような気持ちで戦いを見守っていた。
現在30歳。この夏、私にとって球児たちは“かわいい勇者”になっていた。今年結婚をしたことで、子供を産むという夢を現実的に考えるようになったからかもしれない。真剣な眼差しも、笑顔も、泣き顔も、すべてを愛おしく感じるようになった。応援席にいる家族の姿が、今まで以上に気になるものになった。
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photograph by Sports Graphic Number