#924
巻頭特集

記事を
ブックマークする

<WBC2017 インサイドレポート> かくしてブルペンはひとつになった。

2017/04/01
抑えは牧田か、秋吉か、それとも則本か……。幾度も話題に上った、終盤への不安。守護神が不在の中、投手をやりくりする“権藤イズム”は現場に混乱を招いていた。当事者は何を思い、いかにその起用法に順応し、マウンドに向かっていたのか。

「そんなの、決められるわけないだろ」

「それじゃ、ピッチャーが戸惑います」

「またお前は……細かいことを言うな」

 決してケンカをしているわけではない。しかし、ピッチングコーチの権藤博とブルペンコーチの村田善則の間では、こんな激しい議論が日常化していた。ブルペンにいた何人かのピッチャーは、またやってるよ、善さん、頑張れと、心の中で呟いていた。どのピッチャーも、それぞれの役割について、何も決めない、何も言われないという“権藤イズム”に戸惑い、ふざけんな、いつなんだよ、という不満を溜めていたからだった。村田コーチはこう言っていた。

会員になると続きをお読みいただけます。
オリジナル動画も見放題、
会員サービスの詳細はこちら
特製トートバッグ付き!

「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています

photograph by Hideki Sugiyama

0

0

0

前記事 次記事