1986年のドラフト会議で西武の1位指名は、当時、全く無名だった森山良二投手だった。福岡大大濠高時代に甲子園出場したが、早大進学を目指して2浪後に北九州大学に入学。ところがそこも2年で中退して、野球部もない食品会社「ONOフーズ」に籍を置いていた。
仕掛け人は辣腕で鳴らした西武・根本陸夫管理部長である。この年の早い段階から森山の存在を知ると1位指名を決定。知り合いが経営する会社に籍を置かせる一方、シーズン中には西武が提携していた米独立リーグのサンノゼ・ビーズに派遣して、バレないように中国人名でプレーさせる裏技を駆使した。その末の電撃指名だった。
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photograph by KYODO