何でも賭け事の対象にしてしまうのが英国発祥のブックメーカー。競馬はもちろん、スポーツ全般から王室の慶事まで、遠慮なく売りまくる。もちろん政府公認だ。
オッズ(倍率)の設定が彼らの腕の見せ所。魅力的な配当をチラつかせて、客の射幸心をくすぐる。プレミアリーグのレスター・シティにつけられた優勝オッズが5000倍だったことが大きく報道されて、日本人にもその存在が知れ渡った。なにしろ「岡崎慎司を応援する意味で1ポンドだけ」と軽い気持ちで買った人への数カ月後の見返りが、80万円近い配当になったのだ。もっとも、5000倍というのは賭け屋のシャレがキツすぎた数字。絶対に優勝はありえないという自信の見立ては理解できたとしても、現実的ではなかった。日本の競馬のオッズは売り上げに応じて変動する方式だが、単勝5000倍はありえない数字だし、500倍がつく超人気薄も年に数回レベルしか出現しない。想像だが、賭け会社は責任問題で大揺れしたに違いない。
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