滅多にあることではないが、突然素晴らしい才能を目の当たりにして、ぞくぞくさせられることがある。それを感じたのは、去る11月7日夜の後楽園ホールのWBCユース・フライ級タイトル戦。3カ月前にこのベルトを獲得した沖縄の新星・比嘉大吾が、フィリピンGAB王者テソリオを迎えての初防衛戦だった。
もとより守りに回るタイプではない。比嘉は開始ゴングから終始攻勢に立ち続け、最終10回に比国王者も音を上げて仕留められた。20歳の新鋭はこれで8戦全KO勝ち。アマの全国大会で優勝実績もない選手にしてはできすぎている。
「昔の具志堅みたいな試合をしたね」と感心したのは、他ならぬ具志堅用高さんだった。比嘉は自ら宮古島まで出かけてスカウトしてきた選手なのだ。比嘉本人は数年前、テレビで偶然、具志堅特集を見てボクシングを始めたという縁もあった。
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photograph by BOXING BEAT