「関脇が元気な場所はおもしろい」といわれる大相撲。11月の九州場所では、ふたりの新関脇が登場した。西関脇は、先の9月場所で新入幕ながら13勝、優勝争いを盛り上げた逸ノ城。かたや東の関脇は、ブルガリア出身の碧山だ。192cm、197kgの体躯は、逸ノ城にも匹敵する迫力で、師匠である春日野親方(元栃乃和歌)も、「馬力はピカイチでしょう」と太鼓判を捺す。右四つを得意の型としているが、そのパワーを駆使した突き押しの威力も驚異的だ。
約2年で十両にスピード出世し、2度の小結経験を持つが、いずれも負け越した経験がある。「重心を低く、もっと腰を割った相撲を。はたかれて前に落ちないよう下半身の強化も大事」と周囲から言われ続けてきたという。いまなお克服中だが、なにより素直な性格で、稽古熱心な碧山。熱の入った稽古後に、たびたび口周りに傷をつくり、痛々しく血を滲ませていた姿を思い出す。
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photograph by KYODO