スポーツ観戦は一つの趣味である。それが仕事にもなっているという恵まれた環境に僕はいる。しかしこの夏、その有難さ、ファンへの感謝の思いをより強く感じる時間を持つことができた。僕は夏休みをとって、全米オープンテニス観戦のため、かつてプロとして戦ってきた場所、ニューヨークを訪れた。いつもと違うのはプライベートでの滞在ということに加えて、取材者の特権でもある黄金のパス(取材ID)を持っていなかったということだ。
最初の違いは、会場に辿り着くまでのトランスポーテーション。選手時代や取材の場合は車の送迎があった。しかし今回は地下鉄だ。最寄駅で降りると、左にメッツのシティ・フィールドが、右には2万3000人を収容するスタンドが聳えるUSTAナショナルテニスセンターが見えてくる。この光景が目に入るだけでも気持ちは自然と高揚する。
特製トートバッグ付き!
「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています
photograph by Getty Images