メジャー2年目のキャンプ初日を迎えたブルワーズ青木宣親は、昨季の成績を振り返った際、首をひねりながらこう言った。
「150安打かあ。全然、打ってない気がしますね」
まぎれもない本音だったが、1年前のメジャー初キャンプでは、そんな具体的な数字が口を突くことはなかった。昨季の162試合を通して培った経験と自信は、それほど大きく、確かなものだった。
2011年オフ、ポスティング制度で入札されたとはいえ、足元は不安定なままの米移籍だった。'12年1月、キャンプ地アリゾナでトライアウトを受け、控え選手として開幕を迎えた。当初は代打や守備要員としての起用が続いたが、次第に結果を残し始め、5月下旬から常時、外野の全ポジションで出場する機会を得た。その結果、151試合に出場し、打率2割8分8厘、30盗塁。いつしかチームに欠かせない、主力野手としての立場をつかみ取った。
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photograph by Yukihito Taguchi