19歳の超大型ルーキーが鳴り物入りでプロに転向した。10月2日、超満員の後楽園ホールで井上尚弥はフィリピンの現役王者オマヤオを4回の左ボディーアッパー一撃でKOした。逸材と言われた選手のプロ転向も珍しくないが、近年これほど注目された例は記憶にない。
怪物とも称される井上について、メディアは「天才」と書きたてるが、小学1年生から指導してきた父・真吾さんは「そうではない」と言う。息子とともにトレーナーとして大橋ジム入りした父は根っからのボクシングマニア。選手としては2戦のアマ歴しかないが、緻密で質の高いボクシングを息子に身につけさせたのには驚かされる。海外のビッグマッチをビデオに収め、トップ選手の長所を吸収させてきた。その成果なのか、デビュー戦で井上はノニト・ドネアを真似た左フックをさりげなく出していた。
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photograph by BOXING BEAT