放射線への恐怖で退団した外国人もいるJリーグに、
突然スターがやってきた。アーセナル黄金期を支えた
男は、なぜ自らとは無縁の異邦で戦うことを選んだのか。
突然スターがやってきた。アーセナル黄金期を支えた
男は、なぜ自らとは無縁の異邦で戦うことを選んだのか。
「清水エスパルス、元アーセナルのフレドリック・ユングベリと契約」。このニュースは日本国内はもとより、世界各国でも大きく報じられた。Jリーグに久々にやって来た大物外国人選手に、来日の理由や日本サッカーの印象、今後の抱負を聞いた。
――今回の移籍は驚きでした。まず、日本に来ることを決めた理由から教えて下さい。
「日本に初めて来たのは日韓W杯の時だったけど、すごい国だと思ったし、文化の奥深さや日本の人たちの親切さに感心したから、機会があればプレーしたいと思っていたんだ。
他の理由としては、震災やアフシン(ゴトビ監督)のサッカー観に共感したことも大きい。彼は自分が追求しているビジョンだけじゃなくて、地震や津波の後、Jリーグの観客動員数が落ちていることも教えてくれた。
アフシンはとにかく熱心に誘ってくれたし、日本の人たちを元気づける上でも、来るならこのタイミングしかないと思ったんだ。人生では計算ずくで行動するんじゃなくて、直感を信じて決断することも必要だからね」
――いきなり9月10日の磐田戦でデビューしましたが、最初の試合の感想は?
「個人的にはいい経験ができたよ。雰囲気は最高だったし、声援の大きさにもびっくりした。みんなずっと歌ったりしていたからね。だからこそ試合に負けたのは残念だった。でも、しょうがない部分もあると思う。ダービーマッチだし、GKコーチの眞田(雅則)さんが亡くなったばかりで、クラブは大変な状況におかれていた。ああいう事が起きると、万全の状態で試合に入るのは難しいんだ」
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photograph by Toshiya Kondo