#781
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<コートを去ったNBA屈指のセンター> シャキール・オニール 「巨人の残した大きな足跡」

'00年代のNBAを代表するスーパースターが、 惜しまれつつも
19年の現役生活に幕を閉じた。 圧倒的なパワーでコートを
支配し続けた 「怪物シャック」の人物像と功績を振り返る。

 シャキール・オニールは相変わらず、奇想天外なことをやってのける天才だ。

 現役引退発表の仕方も、その例に漏れなかった。まず、引退することをツイッターで発表した。NBAのどの選手よりも早く、世の中の多くの人がこの新しいソーシャルメディアを知る前から、ファンとのコミュニケーションにツイッターを活用していたオニールらしい発表の仕方だ。さらに、引退会見はオーランド郊外にある自宅敷地内の体育館で行なった。これまで、自宅で引退会見を開いたスーパースターがいただろうか。

 人がやっていないことをやるというのは、昔からオニールのモットーだった。実は、子供の頃のオニールは、目立つことが嫌いな少年だったのだという。13歳ですでに2mの特大サイズだったのだから、同年代の中で常に目立つ存在だった。

「母に『この(珍しい)名前も身長も、好きではない』と言ったことがある」

 引退会見でオニールは、昔を振り返った。「そのときに母から『みんなに名前を覚えてもらいなさい。自分のことを覚えてもらえるようにしなさい』と言われた」

 母のアドバイスに従い、オニールは目立つサイズや名前を逆手に取り、自分のスタイルを作り出すようになった。冗談を言って周りを笑わせ、歌や踊りを練習し、身体が大きいだけではない存在感を作り出した。

巨体に似合わないクイックネスをすでに備えていた新人時代。

 バスケットボールに関しては、義父から大きな影響を受けた。義父はいつも、ウィルト・チェンバレンやビル・ラッセル、カリーム・アブドゥル・ジャバーといった名センターがいかにすばらしい選手だったかを話し、「お前も努力すれば、いつの日か彼らと並んで語られるようになる」とオニールを励ましたのだという。

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photograph by NBAE/Getty Images

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