プロとアマチュアとが良好な関係にある競技がどれほどあるのだろう。特にボクシングはこれまで両者間のギャップが甚だしかった。
アマの側からすれば、プロは「せっかくわれわれが育てた逸材を横からさらっていく」忌々しい存在であり、「プロと付き合うな」というこれまでの日本アマチュアボクシング連盟の方針は、江戸時代の鎖国政策を思い起こさせた。
しかし、プロのジムで育ったキッズの好素材がアマで活躍するようになり、今やプロが一方的にアマから奪うだけの関係ではない。そして、両者が一変して協調路線に傾いたのは昨年夏、大橋秀行・現日本プロボクシング協会会長がアマの実力者・山根明氏と会い、互いに協力し合おうと呼びかけたのがきっかけだった。アマOBでもある大橋会長は「一緒にオリンピックの金メダリストを育てよう」と壮大な提案を行なったのである。
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photograph by BOXING BEAT