長引く景気低迷をよそに、耳を疑うようなビッグマネーが飛び交い始めた。ストーブリーグも中盤に入り、メジャー関係者が一堂に会するウインター・ミーティングを機に、FA市場がダイナミックに動きはじめたのである。
きっかけは、ナショナルズがジェイソン・ワースを7年1億2600万ドル(約104億円)もの高額で獲得したことだった。これまでマネー合戦には無縁のナショナルズが、来季32歳のワースと異例の長期契約を交わしたことで、各球団は財布の紐を緩めざるを得なくなった。
突然の「価格破壊」に敏感に反応したのが、レッドソックスだった。まずパドレスから大砲エイドリアン・ゴンザレスをトレードで獲得。さらに宿敵ヤンキースのキャッシュマンGMが、今オフの目玉、カール・クロフォードと会食した直後、7年1億4200万ドルと史上9位となる大型契約で争奪戦に決着を付けた。
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photograph by Yukihito Taguchi