高校球界の勢力図は今、沖縄を中心としたものに塗り替えられつつある。今春の選抜優勝校が興南、'08年は選抜が沖縄尚学の優勝、夏の選手権が浦添商のベスト4と、多くの高校が好成績を収め、過去10年間の成績は26勝15敗、勝率.634。これは強豪県である神奈川(.611)、愛知(.585)を上回る数字だ。躍進の原動力は全力疾走とコンパクトなフルスイング、そして毎年のように出現する好投手の存在で、今年の沖縄勢にもそれらのキーワードがあてはまる。
島袋が「僕でも抑えるのが難しい」と語る興南打線。
興南の左腕・島袋洋奨は今年の選抜をほぼ1人で投げ抜き、防御率1.17の好成績を収め、チームを優勝に導いた。準準決勝の帝京戦を完封、準決勝の大垣日大戦を7回0封と、強豪校に力負けしないパワーピッチングが身上で、真縦に落ちるカーブは高校生では攻略が難しいとさえ言われている。
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photograph by NIKKAN SPORTS