ツッパリ大関の闘魂の炎がついに消えた。史上1位65場所守り抜いた大関から陥落。この初場所から関脇に陥落した千代大海が初日から3連敗し、現役を引退した。
最後の取り組みとなった魁皇戦。「自分がへこんだときに叱ってくれる先輩。尊敬する大関に全てをぶつけよう」と挑んだ54回目の対戦だったが、為す術なく完敗。取り組み後、魁皇が背中をねぎらうように触ったが、このとき既に魁皇は盟友の決断を察知していたのではなかろうか。幕内最多勝記録を更新したにもかかわらず、無表情のままだった魁皇の心中は、さぞや複雑だったに違いない。「あんな負け方、自分でも見たことない」。部屋に帰って魁皇戦のビデオを何十回も見返した千代大海は、17年間の相撲人生に終止符を打つことを決断した。
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photograph by KYODO