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「俺たち今日も耐えたよな」あの円陣で何話してる? 男子バレー支えるミドルブロッカー絆の継承…山内晶大と小野寺太志が後輩に伝えた“苦い記憶” 

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田中夕子

田中夕子Yuko Tanaka

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posted2026/09/10 17:00

「俺たち今日も耐えたよな」あの円陣で何話してる? 男子バレー支えるミドルブロッカー絆の継承…山内晶大と小野寺太志が後輩に伝えた“苦い記憶”<Number Web> photograph by Volleyball World

3度目のオリンピックを目指す山内晶大と小野寺太志。満身創痍のなか、日本代表を支えている

 アドバイスを受けた側はどうか。同じ試合を回顧し、エバデダンも「まさにそうです」と笑いながらも、オマーン戦でのブロックにつながった山内と小野寺とのやり取りを明かす。

「山内さんからは『あおりすぎるなよ』と言われて、太志さんからは『もうちょい出力を落としたほうがいいよ』って。実際、高さがない相手に対しても、高さがある相手と同じような感覚で跳びすぎていたんです。だから、本来は手首の下あたりに(相手のスパイクを)当てたいのに、肘に当てられて変なところに出されてた。2人のアドバイスを聞いて、跳びすぎなくていいんだ、と気づきました」

 曖昧に見える表現でも、短い言葉で芯を突く。アドバイスを送る小野寺が「あの経験があったから」と回顧するのは、2023年パリ五輪予選の2戦目、エジプト戦だ。パワーを生かしてブロックアウトを狙うエジプトの攻撃を止めきれず、2セットを連取してからフルセットの末に大逆転負けを喫した。

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「(オマーン戦の)ラリーと西本を外から見ていて、ちょっとムキになってるなと思ったんです。たぶん3年前のOQT(五輪予選)の僕もそうだった。だからラリーには『通過点は高くないし、コースに手を出せばいい。力を抜いて、ブロックでわざわざ囲む必要はない』というところを伝えたかった。その意味を受け取ってくれて、いいブロックを何本もしてくれてよかったし、僕らの中でも3年前の経験が活きている、と思いましたね」

「まだまだデコボコなんですけど」

 3年前は山内と小野寺、そして高橋健太郎がいた。ブロックの高橋、スパイクの山内、オールラウンドの小野寺。ほぼ同世代で、アンダーカテゴリーも含めて長い時間を共に過ごしてきた3人はそれぞれの役割や長所がうまく棲み分けられていた。

 パリ五輪本大会の出場が叶わなかったが、サポートメンバーとして最後までパリ五輪に同行したエバデダンは、その3人の凄さを最も近い場所で目の当たりにしてきた。

 あれから2年、今度はロス五輪の出場権を懸けたコートに立っている。経験を積んでいる最中だからこそ、当時の3人の強さを現在の自分たちと重ねる。

「パリの時は太志さん、健太郎さん、山内さんの3人がギュッときれいな丸になっていた。同じように今も安心、安定を求めているんですけど、4人まとめて見ると、またタイプが違うし、やりたいことも考え方も違って、まだきれいな丸にはなれていないかもしれない。まだまだデコボコなんですけど、でもそれがいい形でハマれば、最強になれると思うんです」

 ギラギラと闘志みなぎる若者を支える、経験豊富なベテラン。多少デコボコしていても、それもまた魅力で武器になる。

 弱点と言われ続けた「ミドルブロッカー」は、今や日本代表に欠かすことができない存在となった。小野寺は「そうなるまで僕らも10年かかった」と噛みしめながら、“これから”を見据える。

「経験があると言われるのは嬉しいですけど、ラリーにはラリー、西本には西本の良さがある。だから比較する必要はないし、安心感を求めるよりもまず持ち味を発揮してくれればいい。間違いなく、彼らはこれからの日本バレーを引っ張っていく存在だと思うので、この大会で僕らから伝えられるものは伝えるし、盗めるものは盗んでほしい。それが次のオリンピックや、オリンピック予選につながって、ラリーたちが『経験があって安心する』と言われるようになればいいんじゃないかな、って」

 そのためにもまずは今、アジア選手権で勝利を求める。すべてを終えたら、また静かに円陣を組んで、言葉にしてお互いを労い、勝利を称え合う。

「俺たち、今日も耐えたよな」

 大男たちが小さな一つの輪になって、ロス五輪の切符を手繰り寄せる。

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