石川佳純の「あなたに会いたい」ゲストはフィギュアスケートの坂本花織「演技中に振付を忘れてしまったことはありますか？」石川の仰天質問に坂本は…

週5で早朝練習

石川　練習後のお疲れのところありがとうございます。今日は何時からリンクで練習されていたんですか？

坂本　いつもに比べると今日はスタートが遅くて、8時から練習していました。週5で朝練習をしているんですけど、だいたい6時15分頃に始めています。

石川　早いですね！　フィギュアスケートの選手って、毎日そんなに早朝から練習しているんですか？

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坂本　そうですね。ジャンプなど技術的な練習はリンクの一般滑走の時間と分けてやる必要があるので、早朝に練習することが多いんです。私の場合は今年6月、神戸に通年型のスケートリンク『シスメックス神戸アイスキャンパス』が開業したので、以前に比べて練習環境にとても恵まれています。朝練が少なくなるかなと思っていたんですけど、むしろ増えています（笑）。

石川　いよいよ新シーズンも開幕ですが、シーズン前の感触はいかがでしたか？

坂本　シーズンオフは例年に比べると調子が良いなという手応えがありました。でも試合が始まってみないと分かりません。

坂本花織（さかもと・かおり）／2000年4月9日生、兵庫県出身。'18年に四大陸選手権を制し平昌五輪で6位入賞。'22年北京五輪で銅メダルを獲得。'24年には世界選手権3連覇、全日本選手権4連覇を果たす。'25年6月に今シーズン限りでの引退を発表。159cm　©Wataru Sato

ベテランとしての気持ちの変化

石川　今季でシニア9シーズン目。これまでに世界選手権3連覇を始め、北京五輪での銅メダル獲得など活躍されてきました。女子フィギュア界ではベテランの域に入ってきましたが、シニア初年度と比べてプレッシャーの感じ方の違いなど、自分自身の変化を実感されていますか。

坂本　9シーズン目ですか、時間の流れを感じますね。最初の頃はどれだけベストの演技をしても、なかなか優勝までたどり着けなくて。でもそれは新たな課題を見つけやすい状況でもありました。それに「絶対にこの人に勝ちたい！」「前の試合の自分に勝ちたい！」と追う立場でチャレンジすることがすごく楽しかった。でも、グランプリシリーズで優勝や連覇できるようになってからは、そういう気持ちが薄れてきたというか……。

石川　えっ、なぜでしょう。

坂本　「負けないように」とか「なんとしても連覇したい」という欲に変わって、それを過剰に意識するようになってしまって。今年3月の世界選手権は過去一番かもしれないほど緊張しました。アメリカのアリサ・リュウ選手に次いで2位という結果は悔しかったですけど、それがシニアに上がったばかりの頃のような「追う気持ち」を取り戻すきっかけになったんです。そう考えると世界選手権の経験は自分にとって、必要不可欠だったんだなと思います。

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