米国人記者も衝撃「ミッション：インポッシブル」

　大谷はジーターとは正反対の独身時代だったと思うが、あまりにストイックに野球に没頭しているので、ジーターと同じように現役時代は独身を貫くだろうと思っていた人は多いのではないだろうか。それだけに、突然の結婚発表は驚きを通り越して衝撃だった。それは日本だけでなく、米国でもそう。MLB公式サイトのマイケル・クレア記者は大谷の結婚発表を知るとX（旧ツイッター）で「ショウヘイ・オオタニの野球人生のドキュメンタリーより、彼がどうやって発表するまで秘密裏に結婚までこぎつけたのかのドキュメンタリーを見たいよ。『ミッション：インポッシブル』レベルの機密保持技術だ」と驚いていた。

　そして、米国人記者たちがさらに驚いたのが、インスタグラムで発表した翌日、大谷がスプリングトレーニング中の球団施設で結婚に関する囲み取材に応じたことだ。プライベートなことについて聞くことに慣れていない米国メディアの間にはぎこちないムードが漂っていた。最初に開幕に向けての調整についての質問を2つほどしてから、一人の男性記者がおずおずとこう聞いた。

「野球の話ではないのですが、結婚おめでとうございます。いつ結婚したのか、そして奥さんについて、話せることがあったら教えてください」

囲み取材に応じた大谷 ©JIJI PRESS

　その後に「知り合ってどれくらいですか」「結婚がオフシーズンのFAの決断に影響を与えましたか」「私生活に注目が集まることが分かっているのに、結婚の発表をした理由は何ですか」という質問が米国人記者から出て、囲みはすぐに日本メディアに移っていった。いつもなら聞きづらいことも遠慮なく聞く米国人記者たちが、こんなに遠慮がちに質問するのは珍しい。大谷結婚の囲み取材は、それだけMLBでは稀なことだった。