無安打投球を続ける佐々木朗と、現役時代の「打者・鳥谷」が対戦するなら？

「今は対戦したくないです（笑）。もっと若い頃なら打席に立ってみたいかな。インコースの速い真っ直ぐを意識すると変化球を全部振ってしまうので、打席のなかで1、2球は来る外の真っ直ぐを必ず前に飛ばす、ということしか出来ないでしょうね。

　ただ、意外とこういう記録の対戦者になるのも悪くないんです。阪神時代、山本昌さん（中日）に史上最年長でノーヒットノーランされたんですが、たとえ打てなくてもその瞬間に自分もグラウンドに立っていることは幸せだと思う。後になって子どもに“このピッチャーに抑えられた”と話せますしね」

　目指してきた3年目の飛躍を果たした右腕。その未来像に、鳥谷も期待を寄せる。

WBCでは闘志あふれるピッチングを披露し、さらなる飛躍を予感させた　©︎Naoya Sanuki

「野球人口が減少し、プロ野球が地上波で放送されなくなっている今、急きょ中継を組まれるほどの選手が出てきたことは本当にありがたいです。当然本人は将来メジャーを目指していると思いますし。だからこそ日本では圧倒的なピッチングをするんだ、というマインドも持っていると思う。メジャーに行っても、かわす投球ではなく、力でねじ伏せるようなピッチャーになるんじゃないかなと楽しみです」

●初出：Sports Graphic Number1052号（22年6月2日発売）『俺の佐々木朗希論 鳥谷敬「確信の3年計画」』

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