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ダルビッシュ有(35歳)が新たに取り入れた“イチローのようなストレッチ”とは?「去年からしっかり学んで良いシーズンにしたい」
posted2022/04/07 11:00
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph by
KYODO
メジャー11年目を迎えるパドレスのダルビッシュ有が、開幕へ向け、快調なペースで仕上がってきた。99日間に及ぶロックアウト中は、球団施設が使えなかったものの、本拠地サンディエゴ近郊で自主トレを継続し、引き締まった体でキャンプ地アリゾナへ乗り込んできた。
「イレギュラーですけど、毎年の3月のはじめの方くらいの状態には持ってきてはいたので、まったく問題ない状態です」
先行きの見えない自主トレ中は、同じ先発陣のジョー・マスグローブら同僚と合同で高校のグラウンドを借り、定期的にブルペン投球やフリー打撃に登板するなど、工夫を凝らしながら準備を進めてきた。
「人に会わないし、自分のペースで自分のやりたいことができるし、ストレスも何もないのでむしろ僕は楽しかったです」
ダルビッシュの出来が“パドレスの命運”を左右する
カブスからトレード移籍した昨年は、開幕投手に指名され、6月末までに7勝を挙げ、オールスターにも選出された。ところが、7月初旬に左股関節を痛めたのを機に調子が下降。出場を辞退したオールスターを挟み9月初旬まで自身ワーストの7連敗を喫した。中盤まで上位争いを繰り広げていたパドレスも、ダルビッシュの低迷をカバーすることができず、手痛い黒星を重ね、ポストシーズン進出を逃した。終盤、チームを去ったラリー・ロスチャイルド投手コーチに続き、シーズン後には責任を問われたジェイス・ティングラー監督も解任となった。
チームリーダーのダルビッシュにすれば、同じ失敗を繰り返すわけにはいかない。股関節のケアの一環として、現役時代のイチローの動きにも似たストレッチを取り入れたほか、下半身のウェートトレなども修正した。その結果、キャンプ初のフリー打撃に登板した際には、早くも最速96マイル(約154km)を計測するなど、迫力満点の投球を披露した。
「長いシーズンですから、いい時も悪い時もみんなあると思いますけど。ちゃんとみんなで一つになって、去年からしっかり学んで良いシーズンにしたいと思います」
今季も、昨季上位を占めたジャイアンツ、ドジャースとの激戦が待ち受けるだけに、ダルビッシュの出来がパドレスの命運を左右することは間違いない。