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「スーパーサッカー」が28年で幕 元番組Pが語っていた「徳永英明・加藤浩次をMCに抜擢したワケ」
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byTBS Television
posted2021/02/16 18:00
スーパーサッカー27年の歴史を知り尽くす元プロデューサーの名鏡康夫氏
「司会・加藤浩次」のスタート地点。
――加藤さんの起用は。
「また、ちょっと冒険に出たという感じでした。加藤さんはサッカー経験者で、以前特番に出てもらった時があって、面白かったんです。もちろん司会業はまだやったことがなくて、オファーしたら彼もびっくりして『大丈夫ですか、俺で』という感じでした。
その時に、いきなりメインを任せるというより『スーパーサッカーは車輪が足りないから、そのひとつになってほしい』という話をしたんです。過度に期待すると、プレッシャーが大きくなるので、そういう話し方をしたのですが、それが彼に響いたようでした」
――加藤さんのMCとしての魅力は、どういうところでしょうか。
「サッカー経験者ですし、『スッキリ』(日本テレビ)があるにもかかわらず、深夜まで海外を含めてサッカーをよく見ているんですよ。それにサッカー選手をリスペクトしている。
オグ(小倉隆史)がレギュラー解説者になった時、加藤さんの方が年上なのですが、ずっと『小倉さん』と呼んでいたんです。彼が言うには『自分はサッカーで挫折したのでJリーグまで極めた人はみんなすごい』ということでリスペクトしているんです。
司会は初めてだったけど、今や『スッキリ』などの活躍でお笑いというよりも『司会の加藤』になっている。そのキッカケになった『スーパーサッカー』にすごく恩義を感じてくれているので、今もつづけてくれているのかなと思います」
試合VTRは負けた側の視点でもいい。
スーパーサッカーのメインは、試合のVTR映像である。ただ、そこには単にゴールシーンやスーパーなプレーを紡いで見せるだけではない、「こだわり」があるという。
――試合のVTRを作る上で大事にしていたことは何でしょうか。
「試合に行った記者が現場で感じた雰囲気とか面白いと感じたものでVTRを作るということです。例えば、レッズ対マリノスの試合があって、レッズが勝ったけどマリノス目線でVTRを作ったとするじゃないですか。そうすると視聴者から『なんでレッズじゃないんだよ。レッズが勝った試合じゃないか』というお叱りの声が届くんです。
でもそれは記者の目線、現場で感じたストーリーなので、それでいいんですよ。僕らの試合映像が飽きないと言われたのは、そういう現場の空気を活かして自ら構成作家になってVTRを作ったからだと思います」
――展開が分かりやすい場合はいいですが、0-0で見どころがぼんやりした試合もあります。そういう試合のVTRは編集が大変ではないですか。
「0-0で、内容がもうひとつだとしてもうちはまったく平気でした。そもそもゴールだけじゃないぞっていう意識でVTRを作っていましたからね。試合が今ひとつでも若い選手中心に作ったり、成績が振るわずサポーターから「やめちまえ」と言われたりすると、そっちで広げて作れないかと考えてVTRを作ったりしたので」