石井一久の名言 

「プロ野球選手を目標にしたことがない」と学生時代を振り返るように、型にはまらないその言動で人気を博した石井。もちろんプレーでも「自己流」を貫いた。だからか、「（野村克也監督から）心構えや技術的なことは教えてもらったけどあまり覚えていることはない」。それでも自らを月見草に例えた名将・野村は、誰にも媚びない才に光を当て続ける。プロ1年目の日本シリーズで先発に抜擢、4年目には二桁勝利を挙げるまでに成長を遂げた。先見の明と懐の深さを持つ野村が最初の監督だったことは、石井にとって幸いだったのだろう。日米通算182勝という記録を残した22年を終えて、恩師への感謝の思いを口にした。

Number841号(2013/11/14)