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大谷翔平、1年目にして異例の信頼。
首脳陣から「復帰時期は任せた」。
posted2018/07/03 10:30
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph by
Getty Images
大谷翔平が打者として戻ってくる。
右肘靭帯の損傷でPRP(多血小板血しょう)注射を受け、3週間も右手を使うことを制限されてきた。日米の野球ファンは、やきもきしながらこの期間を過ごしていたのではないだろうか。
それが、である。
6月28日に再検査を受け、経過が良好ということになると、復帰への調整は急ピッチに進んだ。なんと、この3日から始まるシアトルでの3連戦中にもメジャー復帰する気配が漂っている。
「大谷が何を感じ、医療スタッフが何を必要と感じるか。彼らの意見が一致した時に復帰への準備は整ったと言うことになる」
再検査後の会見でビリー・エプラーGMもマイク・ソーシア監督も同じ言葉を使った。
「復帰できると思えば、彼の方から」
この言葉の意味は重い。23歳のルーキー選手へのものではない。本来ならば、復帰への調整スケジュールはGMを筆頭にした野球編成部門の管理者たちが決め、選手にはそのレールの上をしっかりと進んでいくことが求められる。だが、エプラーGMは判断を大谷に委ねるとした。
「まずは通常の打撃練習を始める。この2日間は通常の打撃練習をする。そこで彼がどのような判断をするかによって、その後のステップを考えていきたい」
ソーシア監督の言葉は更にその先にも及んだ。
「今は通常の打撃練習と同じ60マイル(約97キロ)のボールを打っている。メジャーでプレーする前にはそれに応じたスピードのボールを見る必要がある。マイナーでの試合か、シミュレイテッドゲーム(投手が実際に投げる実践的練習)なのか。間違いなくその過程は必要になる。“彼が復帰できると思えば、彼の方から知らせてくるだろう”」