直近の成績なんか、デイにとっては大問題ではない。

　結果的には、久しぶりの試合出場となったマスターズでは予選2日間の成績が振るわず、オーガスタで母デニングの姿を目にすることもなかった。次戦のチューリッヒ・クラシックは予選落ちを喫し、ディフェンディングチャンピオンとして臨んだプレーヤーズ選手権は60位と振るわなかった。

　だが、たとえ成績が下降しようとも、たとえ不調に陥ろうとも、生きていさえすれば、また頑張れるし、やり直せるし、なんだってできる。

「ただ健康で、幸せであってくれればいい」

　そんな母親デニングの言葉を胸に抱いている限り、デイは何度でもドアを開き続ける。