野次馬ライトスタンドBACK NUMBER
特典目当て? それとも球団への愛!?
プロ野球ファンクラブの正しい選び方。
text by
村瀬秀信Hidenobu Murase
photograph byHideki Sugiyama
posted2011/01/27 10:30
1985年以前の弱かった時代から現在まで、どんな時も甲子園にファンが詰めかけていた阪神タイガース。強烈なヤジもチームを愛すればこそ!?
ポイントシステムや会員限定SNSなどサービスは多様化。
次に、ファンクラブはポイントマニアには堪えられない。
ここ数年のファンクラブでは来場や球場での買い物等にポイントがつくことが主流となっている。ポイントはオリジナルグッズやチケットなどと交換できるだけでなく、ネットや携帯での公式HPから会員に割り当てられたマイページへ飛び、自分の貯まったポイント数や、どこでポイントを得たかなどの行動を確認することもできるので、自らのファン活動の指針になったりもするようだ。また中日などは会員限定のSNSも開設するなど、その幅はどんどんと広がっている。
なかでもポイントに力を入れまくっているのが巨人軍。
「G-Po」という無料会員でもポイントを集められるこのシステムは、来場や買い物でポイントがつくだけでなく、勝利や連勝などのチームの結果、ホームランや得点、奪三振など選手の活躍でそれぞれポイントがついてしまう。さらに「お気に入り選手」を登録して、その選手が活躍すればポイント、BS日テレを一定時間視聴すればポイントと、とにかく何にでもポイントポイントの大盤振る舞い。また面白いのが「自分越え」というシステム。昨年の来場回数を上回った瞬間、エントリーチェッカーからファンファーレが鳴りオリジナルアイテムが貰えるのだとか。ちょっと恥ずかしい気もするが。
入手困難な甲子園のプラチナチケットも手に入る!?
そして、何よりもファンからの反響が高いといわれているのが、一般客より先にチケットを購入することができるチケットの優先取得権利である。
これはチケットの取りにくい人気球団であればあるほど効果はテキメン。真っ先に思い浮かぶのは、'09年の会員数約16万人、昨年は約15万5000人。そして'11年度の会員数も約15~16万人に達する見通しだという、市でいえば兵庫県川西市、国でいえばアフリカのサントメ・プリンシペ民主共和国の住人全員がファンクラブ会員と同じという恐ろしい数字を誇る阪神タイガース。
このタイガースのファンクラブ募集は、12球団最速の8月頭からはじまり、昨年の12月15日には早くも終了しているが、それもこの先行販売に関係しているのだとか。阪神タイガース営業部の畑野さんは言う。
「うちは他球団様と違ってワンシーズン通してのチケットの一斉発売を3月にやらせていただいています。そのため、一般の方に先駆けた優先販売を受けていただくために、早い時期の募集になってしまっているんですね」
一般販売では好カードを取るのは至難の業とされる甲子園でのタイガース戦。ファンクラブに入り優先販売の権利を得れば、チケットも楽々取得……とはいかないのが、これまた恐ろしいところ。ファンクラブも会員数が多すぎるため、一般チケット同様、電話が繋がった先着販売で、確実に手に入るとは限らないのだとか。それでも会員の方が有利であることは間違いないのだろうが。