誰も見たことのない光景を見せてやる!!

　練習で追い込んで足がガクガクし、よだれがダラダラ垂れている最中、「俺、いますげーかっこいい」とか思ってしまう。

　きつい練習をしたあと、階段を上るのもしんどい自分が歩いて飯を食いに行く姿がかっこよくてしょうがない。

　漫画のようなプロレス。

「ちょっと斜に構えて二次元でしかプロレスを見ないヤツからは『こいつナルシストだよな』とか『こいつバカじゃねーの』みたいな目で見られてるかもしれないけど、『レスラーだから当たり前なんじゃないの？』っていう気がちょっとしてるんだよね。そう考えないヤツはじつはレスラーじゃねえんじゃねえかって。子供の頃、プロレスはブラウン管の向こう側の世界だと思ってた。いま、自分はその向こう側の世界にいるんだから普通じゃいけないんだ。もうこの世界に骨を埋めてやるんだよ、ずっと」

　漫画のようなプロレス。

「ノアとの戦争はさ、いまだかつて、まだ誰も見たことがないようなクライマックスが待っているはずだ」

　誰も予想しない、誰も見たことがないような光景を見せてやる。漫画のようなプロレスの作者であり主人公は、自信たっぷりに次号予告をした。