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2.59回のミスと、6.083回のアクション。
2010年W杯に見る「ゴールの秘密」。 

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木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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posted2014/05/01 10:30

2.59回のミスと、6.083回のアクション。2010年W杯に見る「ゴールの秘密」。<Number Web> photograph by AFLO

2010年のW杯で、得点を決めるまでの平均アクション回数が最も多かったコートジボワール代表。ドログバ(右)は現在も代表の中心選手として活躍している。

ペナルティエリア内のミスは致命的。

●結果2:失点につながるミスで最も多かったのは「個人の戦術的ミス」(43.08%)。その次は「グループの戦術的ミス」(37.64)。以後、「GKのミス」(10.7%)、「技術的ミス」(5.74%)、「その他」(2.07%)と続く。

「個人の戦術的ミス」の中で最も多かったのは、DFのタックルのミスだった。日本はタックルが少ない国なのであまり関係ないが、欧州や南米のDFは果敢にタックルに挑み、かわされて組織に穴が開くことがある。自陣におけるタックルの失敗は、失点の合図と言っていいだろう。

●結果3:失点につながるミスの50%はペナルティエリア内で起こっていた。

 ある意味当然であるが、ペナルティエリア内のミスがいかに致命的であるかをより実感できる。日本もコンフェデレーションズカップのイタリア戦における吉田麻也の判断ミス(ボールがゴールラインを割るようにブロックしたが背後から奪われた)、ベルギー戦の酒井高徳の軽卒なミス(背後から来た相手に気がつかずクリアできなかった)などで、何度も痛い目にあってきた。W杯で勝ち上がろうと思ったら、ペナルティエリア内のミスは絶対に避けなければならない。

 次は【攻撃】の分析結果だ。こちらも3つ紹介する。

●結果4:得点から遡ると、ボール保持から得点まで平均6.083回のアクションが行なわれていた。

 ここでアクションとは、ボールコントロール、パス、クロス、ドリブル、シュート、ヘディングといったプレーのことだ。攻撃チームがボールを得てからゴールが決まるまでその数をカウントすると、平均約6回のアクションが行なわれていた。

 ちなみに「平均値」ではなく「最大値」に注目すると、最も多くゴールが決まったのはアクションが4回のときだった。アクションが4回を越えたら、得点確率はプレーごとに減ると考えてもいいかもしれない。

【次ページ】 得点の43%がグラウンダーパスから、19%がクロスから。

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