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史上最大の兄弟喧嘩、勃発!?
今年のスーパーボウルが必見の理由。
text by
渡辺史敏Fumitoshi Watanabe
photograph byGetty Images
posted2013/01/30 10:30
ボルティモア・レイヴンズのヘッドコーチで1歳年上の兄となるジョン・ハーボー(左)と、サンフランシスコ49ersのヘッドコーチであるジム・ハーボー。
控えから正QBにのし上がったキャーバニックの勢い。
選手で注目されているのは“下克上”で躍進する若手QB対最後の花道を渇望するベテランLB対決だ。
49ersは'05年にドラフト1位指名で入団したアレックス・スミスが長く先発QBを務めてきた。昨シーズンNFCチャンピオンシップまで進んだこともあり、今シーズンも第10週まではスミスが先発だったのである。が、脳しんとうを起こし一時戦列を離脱。その代わりとして起用されたのが'11年のドラフト2巡で入団し控えとなっていたコリン・キャーパニックだった。
このチャンスにキャーパニックは持ち前の走力を生かして大活躍したのである。その結果スミスの怪我が癒えた後もジム・ハーボーHCが先発で使い続けることを決断、遂にはスーパーボウルのチケットまで手に入れたのである。
49ersのコーチ陣自体、キャーパニックを生かすためにQBのランを積極的に使うなど、チームの攻撃を“スミス時代”から大幅に変更したほどだ。
スキャンダルを払拭したルイスは引退の花道を飾れるか。
そのキャーパニックに対峙するのがレイヴンズのLBレイ・ルイスである。'96年のドラフトでレイヴンズに入団したルイスは、守備陣の中央に位置するポジションでルーキー・シーズンから活躍、瞬く間にNFLを代表する選手の一人となった。特に闘争心をむき出しにしたプレーやチームメイトを鼓舞する姿は周囲に強い印象を与えている。
が、そんななかの'00年1月、ナイトクラブで起こった殺人事件に関与した疑惑が持たれる事態に陥ってしまった。結局無罪とはなったもののリーグから25万ドルの罰金を言い渡されるなどイメージは大きく損なわれたのである。
が、それでもルイスは心折れることなく活躍を見せ、翌シーズンには第35回スーパーボウルでMVPを獲得、その後も活躍を続け、その社会的地位も徐々に回復していった。
そんなルイスがプレーオフを前に今シーズン限りでの引退を発表したのである。