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冬季競技が「危機感」を
強めている理由。
~メダルの魔力に捕らわれるJOC~
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byShino Seki
posted2009/07/14 06:00
6月に合宿を張ったモーグル勢。上村愛子(前列左から2番目)は念願の金に届くか
トリノの二の舞はごめんだ。
来年2月のバンクーバー五輪へ向けて、冬季競技の練習が本格化し、現場から強い思いが伝わってくる。そこには、前回の不振を取り戻したいという意気込み以上のものが感じられる。
2006年のトリノ五輪では、フィギュアスケートの荒川静香が金メダルを獲得し、閉幕直後こそ盛り上がりを見せたものの、大会全体では唯一のメダル。しばしば「惨敗」と評されることもあった。
一方、夏の五輪は、'04年のアテネで空前の好成績をおさめ、昨年の北京でも一定以上のメダルを獲得した。夏との対照的な成績に、「埋没するのでは」という恐れがあるのだ。実際、北京後の日本オリンピック委員会(JOC)の会合で、「次のロンドンは」と理事が口を滑らせ、「バンクーバーを忘れているのか」と冬季の関係者が憤慨する一幕もあったと言う。