怒りは収まるどころか、日一日と増殖している。僕が日本を発ったのは、シンガポール戦の翌日。以来、バルサ対R・マドリー戦を皮切りに、欧州でフットボールを見まくっているのだが、観戦を重ねるたびに思いだしてしまう。出発前夜、埼玉でジーコジャパンがさらした醜態を。
違いは嫌でも浮き彫りになる。代表監督は外国人だが、といってサッカーも外国的というわけではない。ジーコのそれは、フットボールとはおよそ別物。蹴球だ。ジーコ様、お願いだから潔く身を引いて下さいと念じたくなるし、それでは格好悪すぎると忠告したくなる。
「チャンスは多く作れたので、心配はしていない」と、ジーコは言う。が、チャンスの数はホントに多かったのか。決定的なシュート機会があったと言うつもりなのか。何となく、ボールを繋いでいることをチャンスというのか。苦し紛れに放った確率の低いシュートを、惜しい!と感激できるのか。内容的には、3点止まりが関の山と考えるのが常識だ。選手個々の実力差は、どう見ても6―0以上はあるというのに、である。騙されやすい表現に、丸め込まれてはいけない。
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photograph by Michi Ishijima