莫大な放映権収入を元に存在感を高めるプレミアリーグ。
中でも注目したいのは、3部転落を経るも昨季通算3度目のプレミア制覇を果たしたマンチェスター・シティである。
成功の背景にあるのは、アブダビ首長国の潤沢な資金を後ろ盾にした大規模改革だ。今、彼らが目論む壮大な計画とは。
中でも注目したいのは、3部転落を経るも昨季通算3度目のプレミア制覇を果たしたマンチェスター・シティである。
成功の背景にあるのは、アブダビ首長国の潤沢な資金を後ろ盾にした大規模改革だ。今、彼らが目論む壮大な計画とは。
プレミアリーグを世界で「最強」とする意見には異論もあるだろう。しかし、“最興”との見方には誰もが同感に違いない。
1992年に、サッカーと収益のレベルアップを期してフットボールリーグ(現2~4部)から独立したイングランドの1部リーグは、200カ国以上でテレビ観戦者を集める世界で「最も観られている」リーグに発展した。人気のバロメーターでもある放映権料は、2019年までの現行3年契約で、国内外総額84億ポンド(約1兆2000億円)にまで高騰している。
国内分は50%、海外分は全額が、全20チームに均等に分配される放映権収入は、今やプレミア勢にとって入場料収入を遥かに凌ぐ主要収入源。2019~'20シーズンからは上位6チームの取り分が増えるが、順位毎の賞金などを合わせたリーグからの報酬額に見られる格差は、最大でも1.8倍程度と、1.6倍弱の現状と大きくは変わらない。昨季は、首位のマンチェスター・シティが1億5000万ポンド(約213億円)のリーグ報酬を得る一方で、最下位のウェストブロムウィッチも9500万ポンド(約135億円)を受け取った。結果的にリーグ全体の高い競争性が、楽勝カードなど存在しないスリルとなり、只でさえ画面を通しても伝わる迫力を備えているプレミアの人気、延いては各国メディアの放映権購入意欲に拍車を掛ける。
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photograph by Getty Images