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女傑を捻じ伏せて異端の 6歳馬が制した宝塚記念。 ~アーネストリーGI初勝利の真価~

2011/07/10
ブエナビスタを1馬身半抑えグラスワンダーとの父子2代制覇を果たしたアーネストリー

「ヴィンテージ」とも称されるほど素質に恵まれた馬が分厚い層を成す4歳世代。これからの日本競馬を牽引すべく、第52回宝塚記念(阪神芝2200m、GI)には、16頭のフルゲートのうちの7つを占めてそれぞれが支持を集めていた。それでもファン投票1位に輝いたのは、若い力を実績で振り切った女傑ブエナビスタ(牝5歳、栗東・松田博資厩舎、父スペシャルウィーク)。そこには“エース”ヴィクトワールピサ不在の4歳勢にはまだ負けてほしくないというファンの気持ちが垣間見えていた。

 が、勝者は4歳馬でも女傑でもなかった。「上の世代が弱いから4歳が余計に頼もしく見える」と、半ば見切られてしまっていた6歳馬の、6番人気アーネストリー(牡、栗東・佐々木晶三厩舎、父グラスワンダー)が従来のレコードを一気にコンマ8秒も更新する圧倒的な走りでGI初勝利をもぎ取ったのだ。序盤から緩みのない流れ。ナムラクレセントが躊躇なくハナに行き、2ハロン目から10秒5、10秒8という速いラップで引っ張った。いつものようにスタートを決めたアーネストリーは、ナムラの直後につけた。

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photograph by Kiichi Yamamoto

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