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井上尚弥「バムをダラダラ待つ気はない」フェザー級なら誰と戦う? 亀田戦中止、王座剥奪、FA宣言、興行中止危機…混沌の階級で記者が推す“本命”
text by

杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph byHiroaki Finito Yamaguchi
posted2026/10/22 11:16
自身のXでフェザー級への昇級を示唆する投稿をした井上尚弥。混沌とする現状、対戦相手は誰になるか
フェザー級の強豪たちはこれまで以上に井上の動きを横目で見ながらキャリアを進めることになる中で、来年春〜秋になると予想される井上の昇級後に誰がダンスパートナーに選ばれるかに注目が集まる。
エスピノサ、レオ、キャリントン、フィゲロアが剥奪された後のWBA王座決定戦の勝者(1位ミルコ・クエジョ、2位中野幹士、3位亀田和毅が絡むことが有力か)が候補。ここで個人的な意見を述べれば、井上のフェザー級初陣の相手にはラスベガスで意気込みを語ってくれたキャリントンを推しておきたい。
29歳のスピードスターはプロデビュー以来18戦全勝(10KO)。身長173cm、リーチ183cmという恵まれたサイズ、黒人らしい身体能力、バネを武器に連戦連勝を果たしてきた。ブルックリン出身の俊才は今年1月、マディソン・スクウェア・ガーデンでカルロス・カストロに9回KO勝ちでWBC王座を奪取。地元ニューヨークのリングで鮮烈な形で初戴冠を果たしたこともあって、アメリカでも一定の知名度はある。
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プロモーターは井上の過去のアメリカでのリング登場を取り仕切ったトップランクとあって、マッチメイクも容易。7月のレネ・パラシオスとの初防衛戦ではボディを効かされる苦戦も味わっているが、そんな脆さも込みでスリリングな相手と言える。何より、上記通り、キャリントン本人も早期の井上戦を熱望している。
「スティーブン・フルトン、マーロン・タパレス、ジュント・ナカタニもそうだったけど、普段は積極的に攻める選手たちがイノウエと戦うと慎重になりすぎてしまう。もちろんイノウエには強打もあり、巧みに罠も仕掛けてくるのは理解している。でも、試合のどこかでは攻める姿勢を見せなければならない。私とイノウエが戦えば、間違いなくエキサイティングな試合になるよ」
いよいよキャリア最終章
キャリントンの言葉通り、2024年6月、まだ戴冠前のこの選手がブライアン・デ・ガルシアに8回TKO勝ちした試合を井上はMSGシアターのリングサイドで観戦している。実際には「井上が試合を観に行った」のではなく、“モンスター”が全米ボクシング記者協会の表彰式出席のためにニューヨークに滞在中、「顔を出した興行のメインがキャリントンだった」という方が適切ではある。
それでもこんなストーリーもいいスパイスになるだろう。アメリカのファンを惹きつけられるという点でも、キャリントン戦は井上にとっては旨みがあるマッチメイクといえるのではないか。
いずれにしても、混乱の10月17日の後でも、フェザー級がヒートアップする時間はもう間近に近づいているのに違いあるまい。台風の目になりそうなのは、やはり日本が誇る“モンスター”。キャリントン戦がまとまればアメリカからの注目は得られるし、エスピノサやレオとの対決でももちろんメキシコは盛り上がる。
井上にとってのキャリアの最終章開始は、フェザー級における本格的な“モンスター包囲網”のスタートを意味するのだろう。
〈全2回の後編/前編も公開中>


