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「起爆剤がほしい」女子バレー日本代表を救った和田由紀子の“爆発”…「困ったらゆっこに上げようと思っていた」葛藤するセッター関菜々巳も感謝する覚醒の夜 

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田中夕子

田中夕子Yuko Tanaka

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photograph byJVA/AFLO SPORT

posted2026/07/14 11:03

「起爆剤がほしい」女子バレー日本代表を救った和田由紀子の“爆発”…「困ったらゆっこに上げようと思っていた」葛藤するセッター関菜々巳も感謝する覚醒の夜<Number Web> photograph by JVA/AFLO SPORT

負けたら予選敗退が決まる大一番で見事な活躍を見せたオポジット和田由紀子(24歳)

 まだ、決勝トーナメントへと続く戦いの最中だ。そこまで喜ぶのは早いのではないか、と思われるかもしれないが、2セットダウンからの劇的な勝利であったことに加え、トータル2勝2敗で終えた日本ラウンドで、日本代表は数字以上に厳しい戦いを強いられていた。

 特に苦しんでいたのが、昨季までは正セッターとしてコートに立ち続けてきた関だ。

 今季はイタリアでも多くの試合に出場したが、終盤に差し掛かる頃から「人生で初めて、というぐらい膝が痛かった」と、日本ラウンド前日に公開された練習後に関は明かしていた。ジャンプやダッシュだけでなく、一時はトスを上げるために踏み込むだけでも痛みがあり、100パーセントのプレーができない時間が続き、トスにもブレが生じる。

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 チームにとって生命線ともいえる石川真佑や佐藤、和田の攻撃を活かしきれず「トスが上がっていないのは自分でもわかっているし、迷惑ばかりかけてきた」と追及の矛先を自分に向けていた。関に代わってスタメン出場の機会が増えた35歳の栄がバランスよく攻撃陣を使い、高さと伸びのあるトスでゲームメイクし、タイ戦にこそ勝利したが、その後も明らかにチームの雰囲気は沈んでいた。

 一つのズレが、大きなズレになり、悪循環が生じる。思うような攻撃ができず、ブロックに止められて、石川や佐藤が肩を落とし、渋い顔をするのも一度や二度ではなかった。

 起爆剤がほしい――。ストレスがたまる状況で、最後の最後で火をつけたのが点取り屋の和田だった。

虎視眈々のジャンプとスピードを磨いてきた

 カナダラウンドの開幕戦から6連勝と好スタートを切ったが、今大会未勝利だったドミニカ共和国、首位のイタリアに連敗を喫し、日本ラウンドの初戦もブラジルに敗れて3連敗。勝ち星が先行している状況ではあったが、負けが続く苦しい状況に、和田自身もエンジンがかからないことを自らの改善すべき課題に掲げてきた。

「セットを重ねると自分の決定率も上がるけれど、試合の最初から最後までギアを上げた状態でキープし続けられた試合が(日本ラウンドでは)ほとんどなかった。トスを要求するのももちろんですけど、難しい状況から自分がトスに合わせて、いい状況を自分からつくり出すことも大事だと実感したし、今日(のポーランド戦)ではそのシチュエーションをつくることができた。それは一つ、新しい自分の力になったのかな、と思います」

 昨季まで所属したNECレッドロケッツ川崎では、メインのオポジットとして出場したのはイタリア代表で経験を重ねたシルビア・ヌワカロールだった。実戦の機会が少ないことを懸念する声もあったが、長いシーズンを、和田は自らが目指すプレーを実現させるための時間に充ててきた。

 最も重視してきたのが、速い動きに連動させながらジャンプの高さを落とさないこと。NEC川崎のパフォーマンスアーキテクトで、前日本代表主将の古賀紗理那も自身のパフォーマンス向上に絶大な信頼を寄せた里大輔氏の指導を受け、虎視眈々とジャンプのキレと高さ、スピードを磨いた。そして和田が「一番手ごたえを感じた」と振り返ったのがポーランド戦だった。

【次ページ】 セッター関の証言「困ったらゆっこに」

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